発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 二次的外傷性ストレス(精神分析 臨床心理 心理療法)
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 犯罪被害などに遭遇し、PTSD症状を呈する患者さんと合わなければいけない治療者について詳しく書かれています。このような治療者は患者さんと同じようなPTSD症状を呈することが多く、代理受傷・二次受傷・共感疲労・バーンアウトなどと呼ばれてきました。

 今までこれらの症状を呈する治療者は未熟さや能力不足、ストレス耐性の弱さといった個人的要因として捉えられてきて経緯があります。しかし、これらを労働災害の一種として考え、誰にでも起こりうることとして捉えなおし、その状態像の把握や、サポート体制について考えていく必要があるとしています。

 僕は仕事柄、トラウマワークの最前線にいるとは言えないので、犯罪被害に遭われた患者さんと会う機会はそれほど多くはありませんでした。しかし、それでも10数人ほどの患者さんのケースを経験はしました。その少ない臨床経験からみても、やはり心を大きく動かされるものだということは実感を持って体験しています。

 時には僕一人では抱えきれずに、SVや近くの同僚に守秘義務を守るということを前提に話を聞いてもらったこともあります。さいわいそれほど酷いPTSD症状を呈することは僕自身はありませんでしたが、それでもグルグルと頭の中にはいつまでも残っていました。

 すべてのケースがこういうトラウマを持つ患者さんだったら、とてもじゃないけど耐えられないと思います。

 また、治療者として患者さんと会っていると、トラウマとまで行かなくとも、やはりかなりの大変なところもあります。患者さんの苦しさをまるで我が事のように捉えなければいけないこともあります。

 どういう対象の患者さんを見るとしても、治療者は自分自身の個人的問題をある程度あきらかにし、逆転移(ラッカーのいう補足的逆転移)をできるだけ自覚しておくことが大切です。また、自分自身が安心して臨床や治療を行えるだけのサポート体制を日々維持していかなければいけません。安心できない職場で勤めていては、より良い援助を患者さんに提供できません。二次受傷などで治療者がドロップアウトしてしまうと、患者さんにさらに深い罪悪感を抱かせてしまう結果になりますので。ここでも治療者は「生き残る」必要があります。

目次

第Ⅰ部 基本概念の設定
 1 共感疲労
 2 トラウマへの二次的曝露とセラピストが自己申告した困難
 3 性的トラウマ治療の落とし穴

第Ⅱ部 セラピストのセルフケアモデル
 4 トラウマ・セラピストのセルフケア
 5 トラウマに関わる仕事に対する援助者の反応
 6 二次的外傷性ストレスの対処

第Ⅲ部 セラピーの場以外で
 7 コミュニケーションとセルフケア
 8 傷だらけの教授法
 9 プライマリ・ケアのためのトラウマを基礎においた精神医学
 10 ケーレンガクウテレフパット
 11 バーチャル・コミュニテイの創造

第Ⅳ部 セルフケアの倫理的問題
 12 セラピストの二次的トラウマに関連する倫理的問題
 13 セルフケアと傷つきやすいセラピスト
 14 トラウマ治療と研究をするなら哲学から逃げるな
 15 トラウマ細菌説
 16 人的資本の最大活用




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