発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 ウィニコットとの精神分析の記録(精神分析 臨床心理 心理療法)
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マーガレット・リトルはいわゆる独立学派に属する精神分析家・訓練分析家で、ウィニコットから治療分析・訓練分析を受けていた。その彼女がウィニコットとの分析セッションについてまとめたのが本書である。こうした本を書き表すこと自体がウィニコットとの分析がワークスルーされてない証左であると言う人もいるが、それでも実際のウィニコットの分析セッションでのあり方がうかがい知ることができるのは貴重な史料であるともいえる。

ウィニコットは600篇以上の論文を書いているが、いずれも臨床素材は断片的なものが多く(「抱えることと解釈」を除いて)、理論とその実践の関係が分かりにくいところがある。本書ではウィニコットがリトルを実際にどのようにholdingしたのかがよく分かるが、それは心理的なものだけではなく、かなり身体的・物理的なものまで含まれていたようである。実際にリトルの手を握ったり、精神病院に付き添ったりということもあったようで、立場からすると分析家のアクティングアウトと言われかねないような事態であるかもしれない。しかし、ウィニコットはいくつかの論文で精神病水準の重たい病理の患者には解釈ではなく、マネジメントが必要といっており、その実態の一部がここでつまびらかにされているのは非常に興味深い。

また、ウィニコットの分析セッションのあり方以外にも、リトルの精神病水準の体験を自己報告という形で、見ることができるのも非常に貴重であるといえる。それもリトルが精神病水準の不安を持ちつつ、それを整理して、まとめることができるだけの力量があったからであるといえるが。このような破滅的な不安を実際の患者はどのように体験しているのかを知ることは実際の臨床をしていくうえで大いに参考になるのではないかと思う。


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