発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 評価の分かれるところに(精神分析 臨床心理 心理療法)
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著者のこれまで発表した論文をまとめた論文集。ウィニコットから始まり、日本語臨床、日本文化論にまで至る、日本独自の精神分析を目指しているように思われる。

タイトルは一見すると何のことを言っているのかが分からないが、よくよく中身を読み進めていくと、確かに臨床では、特に精神分析では黒か白か、善か悪か、良いか悪いか、前か後ろか、など二分法では決めにくいものがある。また同じ事象を捉えていたとしても、人によってまるでその判断や評価が違ってくることもあるだろう。そうした決めきれないところに臨床の意味や意義が見出されていくということなのかもしれない。

またいくつかの症例も掲載されているが、その著者の解釈のあり方や姿勢について、言葉の芸術家らしく、含みやウィットに富んでいるように思われる。堅苦しいお仕着せの精神分析的な用語以上の、著者自身の人間らしさが見えてくるように思もう。また、その言葉には演繹的に何かを決めつけるものではなく、その今ここでの患者に即したものをそっと置くような、そのような繊細な感じもある。そうはいっても、著者自身も関係の中で揺れ動き、時には感情的にもなっているようであるが、そこにもまたパーソナルな出会いが表現されているようにも思われる。


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