発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 精神分析過程(精神分析 臨床心理 心理療法)
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メルツァーはもともとメラニー・クラインから訓練分析を受けていた最後の一人である。メラニー・クラインの死亡により、訓練分析が終了し、その後も他の分析家との分析を終生続けていたようである。想像するに、クラインとの死による別れのモーニングワークだっとも言えるかもしれない。そして、ビオンがカリフォルニアに去ったあとのイギリスにおいてメルツァーはクライン派を背負って立つ人物のように思われていたが、結果的にクライン派からも、分析学会からも抜け、独自の道を歩むようになっていった。そのためかウィニコットやビオンと同様に、グループというものはなく、メルツァリアンなどのような学派は存在しない。

本書はメルツァーの処女作であり、精神分析がどのように進展するのかについて書かれたものである。精神分析はさまざまな要因が絡み合い、一つとして同じプロセスはないものの、精神分析がうまく親展している時には、このような変遷をたどるということをメルツァーなりに記載している。メルツァーはそのことを「自然史」と言っている。そして、その自然史が通常通りに現れるためには、単純化していうと、分析設定と分析家の姿勢の二つがあれば良いとしている。つまり、時間や料金、頻度、カウチなどの分析的な設定を厳密に行い、それを維持すること。さらには分析家は無意識に開かれた態度をとり、適切な解釈を行っていくこと。この2点が精神分析の自然史には必要なことなのである。

そうはいってもメルツァー自身や訳者があとがきでも述べているように、このような精神分析の自然史は理想的、理論的なものであり、分析家同士のコミュニケーション言語である。実際にはさまざまな転移-逆転移の展開によってまさに情緒の嵐のごとく一進一退するものであると想像できる。


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