発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 治療の行き詰まりと解釈(精神分析 臨床心理 心理療法)
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ローゼンフェルトはイギリスのクライン派分析家であるが、フロイトやウィニコット、クライン、ビオンのような人と比べて、そこまで日本では有名ではないが、精神病の精神分析や、投影同一化の研究、破壊的自己愛の研究に尽力をつくした人である。

彼は主に精神病や境界例の精神分析治療を行っており、精神病の内的世界を精力的に言語として記述していこうとしていた。その中で必然的に起こってくる治療の行き詰まりとその対策について考察している。その中で、クライン派らしからぬ、柔軟な態度であったり、健康な部分へのまなざしであったり、そのようなスタンスを打ち出していった。それに関して原理主義的な批判は当然あったようである。

本書はさまざまな困難な症例を提示しながら、そこで起こる転移・逆転移状況を明細化していき、そこに含まれる行き詰まりについて浮き彫りにしている。ローゼンフェルトは行き詰まりが起こる要因として、ローゼンフェルトは羨望・破壊的自己愛・共謀・分析家の柔軟性のなさ・転移による妄想形成・混乱した状態・自己愛の取りこぼし・出生前後の母親からの投影、を挙げている。

現代的にはあまり精神病・統合失調症に対して精神分析を施行するということは少なくなった。その意味で、本書のような臨床を行うことはないかもしれない。しかし、本書で示されているような精神病的な部分・行き詰まりのメカニズムはどのような臨床にも参考可能となるであろう。なぜなら、精神病的な部分はどのような人にもあり、それが強いか弱いか、前面に表れているか隠れているか、の違いにすぎないのである。つまり、例え神経症のような人でも精神病的な部分があるので、そういう意味でも、本書は大変参考になると思われる。


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