発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 精神分析の方法Ⅱ(精神分析 臨床心理 心理療法)
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本書では1965年の「変形」と1970年の「注意と解釈」が収録されている。ビオンは精神分析を教条的に鵜呑みにするのではなく、精神分析とは何か?ということを極限にまで考え続けた精神分析家である。そのビオンが晩年に思考した跡が本書のあちこちで散見される。

ビオンの考えたことを全て理解していないので一部だけピックアップするが、「注意と解釈」の第4章「記憶と欲望の曇り」には、あの有名なフレーズである「記憶なく、欲望なく、理解なく」が登場している。さらに付け加えると、その3つ以外にも「感覚印象なく」もある。ビオンが考える精神分析とは未知のものを探求する営みである。それは過去にも未来にもなく、今ここにあるものである。記憶とは過去のものの集大成なので、そこに準拠することは未知のものを探求するものではない。また同様に欲望は未来へ向かうものであるから記憶に頼るのと同様に精神分析ではない。理解も同じように、理解したものは既知となるので、それは未知には開かれていない。

一般に知られている精神分析は、転移や反復という概念に知られるように、過去に起こったことが現在に移し替えられ、それを解釈で扱っていくというものではないだろうか。つまり、再構成の解釈である。一般ではなくても、通常の臨床家でもそう理解されていることが多いだろう。しかし、ビオンは「記憶なく、欲望なく、理解なく」というフレーズにも分かるように、そういったものは精神分析の本質ではないとしている(文言としてこのように断定をしている箇所はなかったと思うが)。

その他にも、コンテインド/コンテナーやグリッド、投影同一化といったビオンの理論があり、最近ではそれなりに周知されてきているかもしれない。本書にはその原点があり、実際にビオンはどのように言っているのかを知ることが大事であろう。


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