発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 想像上の双子(精神分析 臨床心理 心理療法)
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本書「再考:精神病の精神分析論」はビオンの1950年代の論文を集めている。ビオンは後年になると論文に症例を載せなくなっていったが、本書の年代ではまだ症例を載せているものが多くある。それだけにビオンの実際の臨床のありさまに幾分かは触れることができるかもしれない。

本論文では悲惨な生育歴を持つ43歳の男性Aが紹介されている。Aはスプリットさせたパーソナリティの一部を人物化していた。それは異なった現実を否認する機能を担っていたとビオンは言う。そして、これらは視力の獲得が非常に重要だと指摘し、乳幼児が視力を獲得する4ヶ月前後の発達がエディプスコンプレックスの先駆けとなっているのではないかとビオンは締めくくっている。

しかし、ビオンの症例もそうだが、クライン派の分析を見ると、解釈の長さが際立っているように思われる。そして、その解釈は大変知的なもののように私には感じられる。細部まで分析していく姿勢は大変感銘的ではあるが、知的に考えてしまうことを奨励し、情緒にガツンとくるあの衝撃は幾分かは少なくなってしまうのではないかと思ってしまう。


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