発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 思いやりの能力の発達(精神分析 臨床心理 心理療法)
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メラニー・クラインは妄想分裂ポジションに次ぐもう一つを抑うつポジションと呼び、罪悪感が優勢を占める心のありようを定式化した。ウィニコットは大まかにはこの抑うつポジションについては賛同しているが、抑うつや罪悪感といったネガティブな表現を嫌い、「思いやり」という日常的でポジティブな表現を好んで使っていた。本論文はこの思いやりがどのように獲得されるのかについて論じている。

ウィニコットによると、まず最初赤ん坊は1人の人に性愛的欲動と攻撃的欲動とを同時に経験しているようである。赤ん坊はそのアンビバレンスを空想の中で体験し、自分自身と対象とを関係づけるようになる。

ここで環境としての母親と対象としての母親が必要となってくる。前者は愛情や感覚的なものを全て受け取る機能があり、後者は本能や興奮のターゲットとなる機能がある。本能に基づいて対象と関係する経験をし、その中で対象が生き残ることが大切となってくるのである。そこでは対象が生き残ったのは対象自身の生存能力が高かったからということを赤ん坊が知ることが必要なのである。

これらのプロセスによって、赤ん坊は対象を無慈悲に使うが、罪悪感も抱えられるようになり、それによって償いの気持ちが湧くのだという。そうして、赤ん坊は対象を気遣うようになり、自分の本能に起因する働きに責任を取れるようになる。これが思いやりとなる、ということである。


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