発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 臨床素材に自我異和的要素として現れた母親の狂気(精神分析 臨床心理 心理療法)
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本論文で紹介されている症例は6歳の男児で、自分の手袋・上着・ネクタイ・シャツなどを咬んで穴を開けたり、室内便器でないと排便ができなかったり、強迫的な手順でしか食事を食べれなかったりするという問題行動のためにウィニコットが治療相談を行った。治療相談は1回だけである。

治療相談の中でウィニコットはスクイグルをしており、その中で明らかに男児のものとは異質な素材が現われたようである。それをウィニコットは母親の狂気がそこに表現されているのではないかと理解し、それを解釈として伝えている。それによって男児は明らかに改善を示したようである。

その後、ウィニコットは母親と話をすると、母親自身が精神的な問題で通院しており、しばしば狂気の状態になるとのことであった。つまり、男児は母親のこうした狂気をウィニコットに知らせようとしたということである。

しばしば、親の問題の犠牲になった子どもが問題行動によって受診させられることがある。そこには子どもだけの問題として取り扱うのではなく、家族の問題として取り扱う方が良い場合もあるだろう。ウィニコットは1948年に「母親の抑うつに対して組織された防衛という観点から見た償い」という論文を書いており、そこでは母親の抑うつを肩代わりする子どもを論じている。抑うつと狂気の違いはあるが、似たようなことを主張しているものなのかもしれない。


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