発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 認知行動療法家のためのACTガイドブック(精神分析 臨床心理 心理療法)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


本書は第三世代の行動療法であるACTがどのように第二世代の認知行動療法と調和するのかについて述べられている。

ACTの基本は第一世代行動療法の回帰と言われており、言語や認知といったものをもう一度行動面から捉えなおしていくことを目指している。さらには関係フレーム理論というあらたな学習・条件付けの理論が提唱されている。オペラントやレスポンデントといった条件付けは個体が実際の体験から学習がなされるものであるが、関係フレームでは実際の体験がなくても学習されるということを理論化したものである。このことにより、人間は飛躍的に知識を伸ばすことができるようになった反面、まったく非論理的なつながりから病的な症状を形成してしまうこともあるのである。

そして、ACTでは認知行動療法のように認知の中身を吟味し、機能的な認知を構築することは目指さず、関係フレームのつながりを断ち切ることを主な目的としていく。つまり、例え非機能的な認知や強い否定的な感情があったとしても、それを客観的に捉え、それはそれとしてその人の価値に直結する目標に向かって行動を起こしていくことを援助するのである。否定的な認知や感情をも受け止め、受容していくのである。

さらに、認知行動療法でも目標を設定するが、ACTでももちろん設定する。ただ、認知行動療法では短期目標を具体的に決めるが、ACTはさらに人生上の大きな目標や重要視している価値観をも含めて考える。言い換えると大きな長期目標を設定するのである。そして、その大きな目標を目指して行動していくことを援助するのである。このような大きな長期目標を行動していく上での強い強化子となるのかもしれない。

本書の内容に戻るが、そのACTが単に認知行動療法を否定して、取って代わろうとするものではなく、認知行動療法とうまく調和し、上乗せする形で統合を図ろうとしているようである。そのための患者用ワークシートなども多く掲載されている。また、それらには多くのメタファーが用いられており、感覚的に理解できるように工夫されている。


関連記事
コメント
この記事へのコメント
ACTはさらに人生上の大きな目標や重要視している価値観をも含めて考える。
ACTも勉強していきたいと思いました。
2012/09/17(月) 19:40 | URL | thinkDr # - [ 編集する]

面白いと思いますよ。
2012/09/17(月) 21:40 | URL | ピュアリー # 6fwIY24o [ 編集する]

コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://purely0307.blog79.fc2.com/tb.php/499-b0966abc
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。