発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 “対象の使用”について(精神分析 臨床心理 心理療法)
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本論文はウィニコット後年に理論化していった「対象の使用」ということについて論じた7つの論文を一つにまとめたものである。

ウィニコットによると主体が対象を使用できるようになるためには以下の5つのステップが必要であると言っている。

(1)主体は対象に関係する
(2)対象は主体によって世界の中に位置づけられるのではなく、見出されていくものである
(3)主体は対象を破壊する
(4)対象は破壊から生き残る
(5)主体は対象を使用することができる

つまり対象は内的なものではなく外的なもの・現実的なものであり、それと万能的なものの領域外にあると知るのである。そしてその対象は報復しない、攻撃しないということも重要な点である。これは乳幼児が現実的な親をいかに見出していくのか、ということと、分析設定の中で患者がいかに分析家や分析家の解釈を使用していくのかにも繋がってくるのであろう。

これらのことを夢や事例、フロイトの論文「モーゼと一神教」などを利用しながら考察している。

また、ウィニコットはこの対象の使用についてニューヨークで講演をしたこともあるよう。しかし、内容が全く理解されず、かなり落胆し、体調を崩してしまうほどであったとのことである。当時のアメリカ・ニューヨークは自我心理学が隆盛を極めていたので、ウィニコットのような対象関係論的な視点は全く受け付けないものだったのだろう。


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