発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 不眠症の認知行動療法 治療者向けマニュアル(精神分析 臨床心理 心理療法)
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不眠は様々な精神疾患・身体疾患から起こる極めてメジャーな症状である上、疾患が何も無い健常者にもしばしば起こり得るものである。本書によると一時的な不眠であれば1/3の成人が経験があり10~15%の人が慢性的で重度の睡眠困難に苦しんでいるようである。本書では主に他の疾患による不眠ではない原発性不眠症に対する認知行動療法について論述している。ただ、他の疾患に罹患していてもある程度はここで述べられている治療方法が効果はあるとしているようである。

本書で紹介されている不眠症に対する認知行動療法は、アセスメント・第1セッション・第2セッション・フォローアップセッションから構成されており、全部で4回(+アルファ)の面接で治療が終了できるようになっている。このような短期間の治療ではあるが、薬による治療に比べて効果量は同等、もしくはそれ以上で副作用も少ないようである。

これまでの不眠症に対する心理療法はリラクセーションから睡眠スケジュール管理などがあり、これらの効果研究からもっとも単純でもっとも効果があるものが探求され、4回の治療で終了できるように洗練されてきたようである。

まずアセスメントでは他の疾患が併発していないか、睡眠の質や量などを測定するための睡眠日誌の提供を行う。第1セッションでは、睡眠についての心理教育を行い、一定の睡眠のスケジュールを作成する。第2セッションでは睡眠に対する偏った認知を変容するための“心配の枠付け”と“思考記録”の指導を行う。フォローアップセッションでは、床上時間を調整しつつ、ちょうどよい睡眠リズムを見つけ、その他のトラブルを解決していく。このような方法で短期間で効率よく不眠症を改善していけるようである。ただ、第2セッションの認知の変容であるが、たった1回で思考記録の書き方を指導し、習得するのは大変に難しいのではないかと思う。反証を書いて合理的な思考にまでたどりつけるのかが大変疑問である。

他の疾患に罹患していない不眠症はあまり複雑ではなく、いわゆる軽いケースのようなので、こんなに短期間で良くなるのだろうと思う。ここにさまざまな精神疾患が絡んでくるとなかなか難しくなるのかもしれない。

最後にCDROMが付録して添付されており、ここにはセッションで使うさまざまなツールと、患者用のワークブックが収録されている。そのまま印刷して使うことができるので大変便利なものとなっている。


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