発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 うつ病の行動活性化療法(精神分析 臨床心理 心理療法)
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 行動活性化療法とはまだ日本では聞きなれない名前であるが、単純にいうと認知療法の認知的技法を抜き、行動的技法の部分だけから成り立っているセラピーである。もともと、著者らは認知療法の要素分析、つまり認知療法の何が効果的に作用しているのかということを研究しており、その過程で、(1)行動活性化療法、(2)行動活性化療法+自動思考の変容、(3)認知療法フルパッケージ、の3つでランダム化比較試験を行った。その結果、3群のアウトカムには違いが認められなかった。このことから、認知的な介入は治療効果には不必要であると結論された

 さらに、後の研究では、(1)行動活性化療法、(2)認知療法、(3)パロセキチンによる薬物療法、の3つでランダム化比較試験が行われ、行動活性化療法とパロセキチンによる治療は認知療法より優れており、行動活性化療法はパロセキチンによる治療よりも中断率・再発率の点で効果が高かったことが示された。

 このような研究を基にして行動活性化療法は成り立っているのである。

 行動活性化療法の理念と哲学は基本的には行動主義に立脚しており、機能分析と文脈主義的アプローチを重視している。うつ病になると行動が抑制されることが多い。その為、環境や周りから正の強化を受けづらい状況になり、ますます行動が抑制されてしまうという悪循環になってしまう。そこで、回避行動を制御し、快や達成感を感じられる行動を増やしていくことを目的としている。それによって、うつ病の改善が見られるのである。特に回避はうつ病を悪化させる要因として重要視している。

T rigger きっかけ
R esponse 反応
A voidance-
P attern 回避パターン


の頭文字をとり、TRAPとしている。まさに回避の罠にひっかかるわけである。そこを、

T rigger きっかけ
R esponse 反応
A lternative-
C opeing 替わりの対処


に変えていくこと、つまりTRAC(進むべき路)が必要である。さらに、ACTIONにしていくということで、これらの頭文字を使って以下のようなプロセスを進むようにクライエントを促していく。

A ssess(この行動がどう機能しているかをチェックする)
C hoose(回避か活性化のどちらかを選択する)
T ry out(選んだ行動は何でも試す)
I ntegrate(新しい行動を毎日の生活習慣に取り入れる)
O bseve(結果を観察する)
N ever give up(決して諦めない)


 このようなキーワードをクライエントに心理教育し、他にも活動記録表や活動スケジュール表なども用いながら、クライエント自らが行動を活性化していくことを援助していくのが行動活性化療法である。

 しかし、これだけ見ると、これまでの行動分析・行動療法とどう違うのかがあまり分からないのであるが、言語行動の字義性からの脱却やアクセプタンス、文脈の重視などが従来からの行動療法と異なる点である。そういう意味では第三世代行動療法の範疇に入ってくるのかもしれない。


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