発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 Kleinの貢献に関する私的見解(精神分析 臨床心理 心理療法)
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D.W.ウィニコット(著) 「Kleinの貢献に関する私的見解」 1962年
牛島定信(訳)“情緒発達の精神分析理論-自我の芽ばえと母なるもの-” 岩崎学術出版社 pp205-216

 ウィニコットのメラニー・クラインに対する思い出話を挿入しつつ、クラインがどのような貢献をしてきたのかをレビューされている。ウィニコットがクラインのスーパーヴィジョンを受けていた際、ウィニコットがケースのことを思い出せなかったときにはクラインは自身の症例をウィニコットに語ったこともあったようである。また、クラインは驚異的な記憶の持主とウィニコットは言い、クラインはカルテを見ることなく1週間の分析の経過を詳細に語れるほどだったとのことである。精神分析は理論と臨床からなるが、人柄や生身の心がどうしても重要になるので、このようなエピソードはその人の人となりが浮き彫りになり、精神分析の勉強をしていく上でリアリティを持って学んでいけるように思う。

 クラインの重要な功績の中に抑うつポジションがあり、ウィニコットはこれを最大限に称賛している。ただ、「抑うつポジション」という名称に対して一部苦言を呈している。それは抑うつという病理的な名称が用いられており、その健康面・発達的側面がないがしろにされているということのようである。ウィニコットは抑うつポジションを「思いやりconcern」と呼ぶ方が良いと提言している。

 また妄想分裂ポジション(本書では偏執病的分裂病的局面と訳されている)はクラインとウィニコットがもっとも意見を異にするところである。しかし、ウィニコットはクラインのことが大好きなので、真っ向から反論することはせず、「迫害不安」と「良いと悪いのスプリット」の概念の重要性を指摘しつつ、やんわりと環境要因を軽視していると書いている


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