発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 個人の情緒発達に見られる依存から独立の過程(精神分析 臨床心理 心理療法)
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D.W.ウィニコット(著) 「個人の情緒発達に見られる依存から独立の過程」 1963年
牛島定信(訳)“情緒発達の精神分析理論-自我の芽ばえと母なるもの-” 岩崎学術出版社 pp93-106

 個人が情緒的に独立するためには依存の時期、それも絶対的な依存の時期に十分な環境における満足がまずは必要となるのであろう。その時期には母親は“原初的な没頭”と呼ばれる状態になり、すべてのエネルギーを幼児に向けて奉仕するようになる。その時には母子が一体となっていると言っても良いかもしれない。この時期に失敗が起こると幼児は侵害として体験し、後に精神病的な状態に陥ってしまうとされている。

 そして相対的な依存の時期になると、幼児は環境に対する知覚ができるようになり、徐々に活動範囲も増えていく。母親の役割は、幼児の自我ニードに沿いながらも漸次的に手を引いていき、それがうまくかみ合うと急速な発達を促すことになる。

 本章では母親を幼くして亡くした3人の兄弟の症例が紹介されている。それぞれが母親を亡くした時期にどのような発達段階にいたのかはバラバラであるが、それぞれ母親喪失に対する影響が後々にどのように出たのか、もしくは乗り越えたのかが描き出されている。ウィニコットは分析治療を行っていたわけではないようだが、長い経過の中でマネジメントをしていくことによりこの家庭を支えていたようである。このようなウィニコットの精神分析外での臨床経験が精神分析に行かされていることが本当によく分かるように思う。


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