発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 わかりやすい発達障がい・知的障がいのSST実践マニュアル(精神分析 臨床心理 心理療法)
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SSTはリバーマンやベラックによって開発された行動療法の一技法であり、主に統合失調症に対して適用されてきたという歴史がある。しかし、統合失調症に限らず学校現場や福祉現場における発達障害や知的障害に対しても適用されてきていたが、体系だったテキストはあまりなかったように思う。その点から本書は発達障害・知的障害に対する適用を模索しており、様々な点で参考になるところはあるだろう。

発達障害と知的障害ではかなり違うが、両者とも認知的な能力に障害があり、そこをどうクリアして、SSTに導入していくのかがポイントであると思われる。例えば、本書での工夫を一つあげるとすると知的障害に対するSSTでは、SSTの流れやルールの明文化を平易でやさしい表現にし、数を絞るということも行われている。さらに子どもの場合には特別支援学級でどのように導入するのかについて、教師全体に対して周知し、理解を求めることが必要であるというのはまさにそのとおりであると思われる。

本書ではSSTの実際的な適用について述べられており、研究的な部分はほとんど記載はない。SSTのエビデンスベースドにおける位置づけはどこかで盛り込まれても良かったのではないかと思われる。特に統合失調症以外への適用は新しいが、それでも全く研究がないわけではないので、そういうところの知見を踏まえることは重要ではないかと思われる。また、本書に記載されている実践では様々なアセスメントツールが使われているが、そのほとんどが標準化されてなかったり、恣意的に変更されたものが多く、妥当性や信頼性に疑問を持たざるをえない部分が多かった。

あと、本書では「発達障がい・知的障がい」となっており、「がい」をひらがな表記で統一されていた。最近は疾患名の変更や表記の変更が数多くあり、それは差別的な表現だからという理由が主のようである。しかし、表記そのものが差別というよりは、社会的な認知・認識の問題が大きいので、表記だけを変えても中身が変わらなければ意味がないように思うし、下手すれば言葉狩りになってしまう危険性もある。

最後にこれは私の個人的な印象であるが、SSTをする人は変に根拠のない明るさを持っており、良くも悪くもそれがSSTの特色にもなっているように思う。SSTのワークを楽しくするためにテンションを上げねばならないというのも理由かもしれないが。どうもこの明るさに少なからず抵抗感を持ってしまう。


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