発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 親と幼児の関係に関する理論(精神分析 臨床心理 心理療法)
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D.W.ウィニコット(著) 「親と幼児の関係に関する理論」 1960年
牛島定信(訳)“情緒発達の精神分析理論-自我の芽ばえと母なるもの-” 岩崎学術出版社 pp32-56

 ウィニコットは親と幼児との間で経験されたことは精神分析治療の中に置いて転移という形で再現されるということをここでは論じている。幼児は人生最早期においては絶対的依存の状態におり、母親の保護(抱っこ)の元でしか生存することはできない。その後相対的依存の時期になり、育児を知覚できるようになってくる。

 そして、ウィニコットは相対的依存の時期のことは分析治療の中で転移という形で再現されるが、絶対的依存の時期は分析治療においても再現されないという。それは絶対的依存の時期では抱っこ等の環境を知覚できておらず、まさにあるとしか言いようのないものだからであるとしている。さらに絶対的依存の時期に抱っこの失敗・環境の失敗があるとそれは破滅的な脅威として体験され、精神病的なエピソードとして出現するとしている。

 これらの理論は今までの精神分析にないユニークなものであると言える。それは精神分析ではあらゆるものが治療関係に転移され、それを解釈し続けることによってワークスルーされていくというのがだいたいのスタンダードな理解であったと思う。それをウィニコットは転移されない、としたので、解釈によって扱うことは難しいということを明らかにしたと言える。その代わりということではないが、分析治療において“抱っこ”するということの分析的意義がここから重要視されていくようになっていったと言える。


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