発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 うつ病の認知療法(精神分析 臨床心理 心理療法)
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 現代では認知行動療法がかなり広まっており、日本でも保険点数として請求できるようになってきている。その大元が本書で取り上げられているベックの認知療法である。本書は381ページにも及ぶ大作であり、認知療法を系統的に学ぶ上でのテキストとして構成されている。また巻末には付録として認知療法で使われる検査や尺度も載せられている。

 認知療法というと代表的にイメージされるのは認知再構成法・思考記録表である。これは非機能的な認知を記録し、よりより機能的な認知を見出していくというスキルである。しかし、認知療法=認知再構成法ではなく、ベックはそれ以外のスキルも取り入れており、様々な方法で認知の変容を促していくようである。そこには行動変容を促すことによって、認知変容していく行動的な技法も紹介されている。このような行動面をも焦点にしているからこそ行動療法と強く結びつき、認知行動療法として統合されていったのではないかと思われる。

 そして第18章では、認知療法のこれまで行われたいくつかの効果研究が掲載されている。認知療法の売りの一つがエビデンスが示されていることにあるのだが、本書が書かれた1979年の段階で既にこれだけの効果研究がなされているのは驚きである。またその効果研究は現在も行われ続けており、ほとんどの研究で効果が確認されているようである。このことが認知行動療法の発展につながっているのであろう。

 本書は30年以上も前に出版されたものであり、用語や技法に多少の古めかしさは正直なところあり、現在ではこの本だけで認知療法・認知行動療法をするには限界があることは否定できない。その後に開発されたさまざまな技法の習得は必須である。しかし、それでも認知療法の出発点である本書にはさまざまなアイデアや着想が載せられているので、基礎を押さえるという意味では読んでおくととても良いであろうと思われる。


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