発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 原初の母性的没頭(精神分析 臨床心理 心理療法)
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D.W.ウィニコット(著) 「原初の母性的没頭」 1956年
北山修(監訳)“小児医学から精神分析へ-ウィニコット臨床論文集-” 岩崎学術出版社 pp365-372

 ウィニコットは乳幼児の正常な発達には母の献身的で没頭した世話が必要であるとしている。それは引きこもりや解離などの重い水準の病態とも類似点があるとしている。そして、さまざまな理由で母性的な没頭によって乳幼児の世話ができないと、つまり環境の失敗があると乳幼児はそれを侵襲と体験し、存在し続けることが妨げられ、絶滅の脅威にさらされることになる。これこそが原初的な不安、精神病的な不安であるとウィニコットは言っている。

 ほど良い環境のほど良い失敗はもう少し後に発達の時に必要となり、そうした失敗からくる欲求不満から自我が成長する、ということかもしれない。

 このようなウィニコットの理論はある種、誤解を受けかねない部分もあるように思う。それはウィニコットは「母親」ということをしきりにいっており、その母親の世話が必要であると主張している。では、母親がいなくて、父親しかいない、祖父母しかいない、養父母しかいない子はどうなるのか?というのが時折批判として聞かれる。しかし、ウィニコットのいう「母親」とは、子を養育するものとしての象徴的な意味合いとして使っているのであろうと思われる。そういう意味で、ウィニコットの養育論は環境がどうなのか?というのが非常に重要となってくるのであろう。


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