発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 認知行動療法を始める人のために(精神分析 臨床心理 心理療法)
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 認知行動療法(CBT)は従来の心理療法よりもマニュアルがしっかりとしており、ある程度の手続きを覚えれば、初心者でもある程度の施行は可能となっている。それでも、心理療法の一種には違いないので、CBTを行う前の聞き取りや傾聴の態度など臨機応変に行わねばならないところはたくさんある。本書はそうした細部などについて初心者の助けになるような形で書かれており、これからCBTを学ぶ学生やCBTをし始めた初心者には大変役に立つものと思われる。

 本書では架空の症例である社会不安障害のマイケルに対する面接プロセスを追いながら、その都度CBTの施行方法などについて書かれている。社会不安障害は認知的技法と行動的技法をバランス良く施行していくことが求められるケースであり、CBTの効果がかなり高いことが分かっている。そのような症例を追うことによってCBTが分かりやすくなるものと思われる。

 そして、第2章ではクライエントと最初の面接をするまでのことについて細かく書かれている。本書では電話の段階でかなり詳しい問診を行っており、ある程度の概念化までなされるようである。このあたりはアメリカにおけるスタンダードなやり方なのか、著者のやり方なのかは分からないが、日本では電話でそこまで詳しく話を聞くことはそんなに多くないように思う。申込みの電話では、名前や住所、生年月日、簡単に主訴を聞くぐらいが多いのではないだろうか。

 さらに第9章では、臨床場面でよく遭遇するいわゆる「困ったこと」に対する対応の仕方が網羅されている。セッションを繰り返し遅刻したり、ホームワークを施行しようとしなかったりなどはよくあることだろう。そのような治療抵抗がクライエントだけの問題である場合もあるだろうが、たいていは治療者の施行ミスなども関係していることはある。個別の問題に対して対応はもちろん変えなければいけないが、まずはその問題があることを認識し、それについて考え、クライエントに問いかけてみて、セラピストとクライエントが一緒に問題を乗り越えていく、ということが必要であると思う。そして問題を乗り越えることが、信頼関係に良い影響を与えていくものと思われる。

 最後の第11章ではスーパーヴィジョンについて書かれている。初心者にとってはスーパーヴィジョンは必須である。本書で書かれているスーパーヴィジョンの様式を見てみると、面接を録音・録画したものをスーパーヴィジョンの場に持ってくることがスタンダードのようである。日本ではなかなかそういうことを行っているところも少ないかもしれない。さらに、ワンウェイミラーなどで観察しながらスーパーヴィジョンを行うこともあるよう。こういうやり方も非常に難しいところはあるが、さまざまな方法を駆使するという考えには賛成できるかもしれない。


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