発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 移行対象と移行現象(精神分析 臨床心理 心理療法)
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D.W.ウィニコット(著) 「移行対象と移行現象」 1951年
北山修(監訳)“小児医学から精神分析へ-ウィニコット臨床論文集-” 岩崎学術出版社 pp274-293

 ウィニコットの数ある論文の中でも最重要なものの一つであり、もしかしたら一番有名なものであるかもしれない。

 魔術的・万能的な世界に住む一次ナルシズムから、現実の他者との出会いの間にあり、その両者をつなぐものとして移行対象がある。乳幼児は最初、母親のホールディングによって守られ、他者との出会いはない。望んだものが魔術的に提供されるというまさに錯覚の世界にいる。その世界からすぐに現実の他者に出会うのではない。言いかえるなら全体対象を獲得するのではない。移行対象というものを介しているというのがウィニコットの主張である。移行対象はぬいぐるみや服、毛布など様々である。

 そして、他の論文にも繰り返し書かれているが、そのようなプロセスが進むためには、最初は母親による完全なケアを必要とし、その後、適度な失敗を通して、現実と出会うのである、とウィニコットは言っている。

 この論文によってウィニコットはクラインから決別を宣告されたのである。ということは、ウィニコットのウィニコットらしさがよく表れており、クライン学派との大きな違いが明確になっているということである。ウィニコット自身はクラインとの決別について大変苦しんだようであるが、後世の精神分析の発展を考えると、この転換点がなければならなかったとも言えるかもしれない。


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