発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 小児医学における症状の容認:ある病歴(精神分析 臨床心理 心理療法)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

D.W.ウィニコット(著) 「小児医学における症状の容認:ある病歴」 1953年
北山修(監訳)“小児医学から精神分析へ-ウィニコット臨床論文集-” 岩崎学術出版社 pp100-122

 本論文を簡単に要約すると、小児科で見られるさまざまな症状は身体的なものではあるが、そこには精神的なものが影響している、ということである。それを考慮せずに身体的な処置しかしないならば、治療は成功しないであろう、とウィニコットは言っている。この理解についてはほとんど反対する人もいないであろう。

 これだけかけばこの論文の趣旨はおおまかに把握できると思うが、そのサブストーリーとも言うべき大事なところがもう一つある。それはスクイグル技法という殴り書きを通して幼児とのコミュニケーションや治療を行う方法が初めてこの論文で紹介されていることである。スクイグルとは、片方が意味のない殴り書きをして、もう片方がそれに線を付け加えて何かの絵を描くというものである。それを交互に行っていくのである。

 この論文で取り上げられている症例はフィリップという9歳の男児であり、遺尿を主訴にして病院に来院した。またフィリップに精神分析は行っておらず、3回の通常の精神療法を行っただけである。その中でウィニコットはフィリップとスクイグルを行っている。いくつかのスクイグルを描き、その過程で夢の話が出て、その中で妹の誕生とそれに対する外傷的体験が想起され、遺尿が治っていったという症例である。

 スクイグルは現代でも使われることが多く、応用したさまざまな技法も作られている。ウィニコットのどこ側面を評価するのかは人によってさまざまであるが、このスクイグルという幼児の遊びとコミュニケーションに着目する人と、精神分析家としてのウィニコットに着目する人の二通りあるように思う。



FC2ノウハウ
関連記事
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://purely0307.blog79.fc2.com/tb.php/365-b1578539
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。