発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 認知療法・認知行動療法事例検討ワークショップ(1)(精神分析 臨床心理 心理療法)
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 本書はケースを通して認知行動療法を学ぶということをテーマにして編纂されている。認知行動療法はマニュアル化されており、学びやすいとは言え、やはり臨床現場でどのように施行されているのかについては個別のケースに応じたものである。そのため、実際のケースを通して具体的にどのように施行されているのかを見て行くことは大変勉強になるものと思われる。また、本書ではベテランの治療者による綺麗な成功ケースではなく、臨床経験がまだ少ない初心者のケースをみることにより、具体的で生々しい試行錯誤の後を見ることができ、自分に引きよせてケースを考えて行くことができる。

 ケースは全部で4つ掲載されており、うつ・恐怖症・うつ・発達障害である。最後の発達障害のケースに認知行動療法が適用されるのかという議論はあるが、細かいアセスメントを通して、認知行動療法が役に立つであろうと思えるようなケースマネジメントがなされていた。

 ちなみに、このワークショップは東京にある洗足ストレスコーピングサポートオフィス(SSC)が主催したものであり、事例もすべてそのオフィスで行われたものである。本書ではケース検討に入る前にSSCの紹介として、どのようにインテークがあり、どのようにケースマネジメントをしていくのかについて概要が説明されていた。それによると、インテークは所長である伊藤が行い、そこで聴取される情報や心理教育は全て型にはまったものであった。そして2回目以降に担当者に引き継がれる。さらには、数種類の決まった心理テストがあり、3回目、8回目、13回目とその後5回置きずつに必ず施行されるようである。このようにがっちりと構造が決まっており、その中で認知行動療法がおこなわれる。それが良いとか悪いとかではないが、このような構造の中で行う臨床だからこそ、安心して認知行動療法を施行することができるのかもしれない。また、SSC独自かどうかは分からないが、スタッフによるミニスーパーヴィジョンが定期的にあり、そこで5分ぐらいの時間で各々のケースのスーパーヴィジョンを伊藤が行っている。このことは担当者にとっては大きなサポートであると言えるかもしれない。このような整った現場で臨床ができるのはとても幸せなことかもしれない。



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