発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 設定状況における幼児の観察(精神分析 臨床心理 心理療法)
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D.W.ウィニコット(著) 「設定状況における幼児の観察」 1941年
北山修(監訳)“小児医学から精神分析へ-ウィニコット臨床論文集-” 岩崎学術出版社 pp30-55

 本論文はウィニコットが行っていた小児科臨床における診察場面でどのような設定を行っていたのかについてが書かれている。ウィニコットは生涯5万例にもおよぶ母子を診察したと言われているが、そのいずれもがほぼ同様に設定の元に診察を行っていたようである。ウィニコットの診察室はかなり広い部屋が使われており、入り口から一番遠いところにウィニコットが座っている。それは母子が部屋に入ってウィニコットのところに来るまでに観察したり、これまでの経過を思い出したりすることに時間を費やせるからのようである。そして、ウィニコットと母子の間には舌圧子(ぜつあつし)が置かれており、幼児が手を伸ばせば届くようになっている。このように設定を一定にすることにより、他の母子との比較ができるのである。実験的に言い換えると独立変数を一定にするということである。最近の言葉では「定点観測」と言うこともできるだろう。

 精神分析でもこの定点観測は行われており、カウチ・中立性・禁欲原則・自由連想といった精神分析のこうした設定や方法を一定にすることにより、患者の言動を分析していくことができるのである。

 本論文での小児科臨床でのこの設定の元で、舌圧子を幼児がどのように扱うのかについてウィニコットは3つの段階に分けて記載している。舌圧子に手を伸ばす(1段階)。ためらって身動きをしない(2段階)。舌圧子で遊ぶ(3段階)。そして、幼児が舌圧子をどのように遊ぶのかを観察することにより、ウィニコットは幼児にも空想があることを見抜いている。それは治療者と幼児の間の空間に存在するものであり、後の構想である「移行空間」「移行対象」に繋がっていくものであると言える。



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