発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 精神的健康について(精神分析 臨床心理 心理療法)
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メラニー・クライン(著) 「精神的健康について」 1960年
メラニー・クライン著作集5巻 ”羨望と感謝” 誠信書房 pp129-138


 本論文ではクラインは精神的健康を述べているが、要約すると最早期の破壊性と迫害不安が良い環境の中で安定した情緒的刺激によって中和され、抑うつポジションに移行し、自我が強化されるということのようである。こう書くと、分かったような分からないような感じであるが。

 しかし、健康とは何かということを考えると分からなくなってしまう。たとえば、社会的にも適応していても、内的にストレスを多く持っている人がいたとして、それは健康と言えるのだろうか。もしくは、大きなトラウマを受け、そこからさまざまな精神症状を出していた人がいたとして、そういう状況の中で何の反応も起こさない方が異常である言えなくもない。

 「正常症」という言葉もあるが、これは健康で正常であるが故に、心の内面に対して無知で、鈍感で、内的探索ができない人のことを指したりする。もちろんニーズがない人に対して精神分析をすることは倫理的な問題はあるが、豊かな内面を一応の目標としている精神分析からしたら、そういう探索しない・できないということこそが問題と見えてしまうのかもしれない。さらに、「健康への逃避」というのもある。これは、精神分析の過程で、探索に対する防衛として健康になり、それ以上探索をしないように拒否するというものである。表面的に見れば、健康になり、問題が消失しているので、セラピーとしては成功なのかもしれないが、それは本当のところで成功と言えるのかどうかは判断が難しいところである。


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