発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 大人の世界と幼児期におけるその起源(精神分析 臨床心理 心理療法)
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メラニー・クライン(著) 「大人の世界と幼児期におけるその起源」 1959年
メラニー・クライン著作集5巻 ”羨望と感謝” 誠信書房 pp103-124

 幼児期の経験が大人になってからの性格や心的状況に影響を与える、という考え方は精神分析が初めて提出した仮説であり、現代においては多くの一般人はこの仮説を肯定しているものと思われる。そして心理臨床の専門家でもこの仮説を否定している学派はいないであろう。もちろん技法として理論としてその部分は扱わないという学派はあるが。

 ただ、この幼児期の体験というものを厳密にどう捉えるのか?という問題はまだまだ大きい。それは精神分析の中の学派によっても変わってくるようである。すなわち、幼児期の体験が現実に起こっていたものとして捉えるのか、それともそれは幼児の幻想・空想として捉えるのかによってかなり違うように思われる。フロイトは当初は現実に起こっていたものとして理解し、ヒステリーの治療を行っていたが、徐々に現実的に辻褄の合わない事態に遭遇し、結果的に幼児期の空想ではないか、という方向転換を行った。すなわち内的空想論である。こうした転換が精神分析をさらに発展させたのであるが、現代では解離や虐待といった問題が取り上げられるようになり、実際的にトラウマを幼少期に受けた患者が大人になってさまざまな問題を呈するというケースが増えてきている。最近の調査では虐待などは思った以上に昔から、そしてかなり多くあるのではないかと言われるようになってきている。

 クラインは全くこうした外的な環境を無視することはしていないが、本論文では内的要因についての考察を行っている。そして後のクライン派といわれる人はさらにこれを推し進め、人によっては完全に外的な環境を無視して理論構築を行うようになっていった。それが正しいのか間違いなのかは分からないが、とことん内的要因として扱うことにも確かに臨床的な価値はあるのかもしれない


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