発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 日本臨床心理士養成大学院協議会の反対声明と見解part2(精神分析 臨床心理 心理療法)
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前回の記事の続きです。

日本臨床心理士養成大学院協議会反対声明見解ですが、一通り読みました。簡単に要約すると、

(1)新しく作る国家資格は基礎系の比重が大きく、臨床的な資格ではない。
(2)これまで行われていた臨床心理士を養成する大学院教育が無に帰してしまう。
(3)今ある臨床心理士の資格を国家資格にする努力をするべきだ。
(4)新しく作る国家資格に賛同している日本臨床心理士会は臨床心理士の職能団体としては失格である。



といった感じでしょうか。率直なところを言えば、理念や理想としては共感できるところも多々あります。確かに新しい国家資格はどちらかといえば基礎系心理学に偏り、臨床に特化しているようには思えません。また、学部卒で資格が取れるということはそれだけレベルの低いものになってしまうでしょう。特に大学院教育を経てない場合、研究能力が育っておらず、単なる技術屋になってしまいます。科学者―実践家モデルというのがありますが、これは臨床と研究の両方ができることによって、より良い援助ができるというモデルです。

現在の臨床心理士の資格も問題点はあり、もっとレベルの高いものにしなければならないのに、その臨床心理士の資格よりもレベルの低いものになってしまうのは国民の益にかなわないという論理は分からなくもありません。

しかし、現実を振り返った場合、いくつか難しい点もあるようです。まず、民間資格がそのまま国家資格になった例というのはほとんどないと聞いたことがあります。既得権益の問題があるからでしょうか。そうなると臨床心理士がそのまま国家資格になるのには大きなハードルになってしまいます。また、現行の臨床心理士の資格のままだと関連団体との調整が難しいということもありそうです。さらに、今のまま国家資格がない状態が延々と続くことこそが国民の益や臨床心理職の職業的安定にかなっていないということもあります。ある程度の能力を担保する臨床心理職の資格がないため、適切なところで相談をすることができず、結果的にニセカウンセラーの被害にあっている国民やクライエントは想像以上に多いでしょう。また、臨床心理士も不安定な中で仕事を行っており、それは少なからず業務に影響を与えます。

このようなところから、大学院協議会の理念は分かりますが、はらぶろのはらさんが書いているように対案やその具体的方策はないし、臨床心理士至上主義的なところは関連諸団体から受け入れられず、もし仮に臨床心理士がそのまま国家資格化されても孤立してしまうかもしれません。

国民の益になり、臨床心理職の安定につながる国家資格にするためにもっと議論を尽くすことは必要でしょう。各団体の思惑や利権や方針などはもちろんありますが、それを超えて、国民と臨床心理職の人のためになる資格を共同して作れたらと思います。ま、この僕の最後の言葉こそが理想論なのかもしれませんが(笑)


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