発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 喪とその躁うつ状態との関係(精神分析 臨床心理 心理療法)
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メラニー・クライン(著) 「喪とその躁うつ状態との関係」 1940年
メラニー・クライン著作集3巻 ”愛、罪そして償い” 誠信書房 pp123-156

 これは、1935年の「躁うつ状態の心因論に関する寄与」の続編と位置付けられそうな論文である。抑うつポジションという概念が1935年に提出され、その理論の精微化を行っている。抑うつポジションは、妄想的な恐怖とサディズムの攻防により、愛する対象を破壊してしまったことを償うことによって構成されるのであり、その過程には投影と取り入れが密接に関わっているのである。そしてこの抑うつポジションを健康に乗り越えられない場合、躁的防衛を発動することになる。

 この論文によって抑うつポジションの概念化はある程度、整備されてきており、さらにパラノイアや精神病、妄想などといった今後の妄想分裂ポジションとして精微化されていく様々な現象が取り上げられている。この著作集2巻の他の論文にも言えることであるが、クラインは当初は攻撃性・破壊性・サディズムといったものを中心に取り上げていたが、徐々に愛情や慈しみ、悲しみ、償いといった「」のテーマも加味されてきているようになってきているところが一番の特徴である。

 臨床でも、陰性転移を扱うことはとても大事であるが、それと同時に陽性転移も見定めておくことが求められる。陰性転移と陽性転移は表裏一体なのである。もっとも現代クライン学派では、陰性/陽性といった分類はせず、一括して「転移」と呼んでいるようであるが。


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