発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 11章 女の子の性的発達に対する早期の不安状況の影響(精神分析 臨床心理 心理療法)
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 本章はこの本の中でも一番多くのページを割いて書かれており、54ページからなっている。それほどクラインは力を入れたかったところなのかもしれない。また同様の内容を繰り返しており、強調したい気持ちは分かるが、助長的すぎて、逆に分かりにくくなっているように感じた。

 この章でクラインが言いたいことは、女の子の心理性的な発達がどのように変遷していくのかということである。精神分析はジェンダー論者やフェミニストから女性蔑視であるといわれのない誤解を受けることが多いが、その一つのやり玉はフロイトのエディプスコンプレックスや男根羨望などに向けられている。実際の発達ラインはおいておくとして、精神分析の中で見られる幼児的空想がそのように展開されることが多いし、それを扱っていくことがセラピーを進展させていくことはよく知られていることである。このことから、精神分析では空想のものとして理解することが多いが、誤解する人たちはこれを現実のものとして理解してしまうところがあるのかもしれない。

 話はそれてしまったが、クラインはフロイトの考えた発達ラインを元に、彼女なりに同意したり、否定したり、アレンジしたりしている。クラインが考える発達、特に女の子の発達は、元々のサディスティックな攻撃性を持っているが、それが投影されて母親からサディスティックに破壊されるという不安を抱く。そこでミルクを与えてくれる良い対象と、破壊してくる悪い対象に分裂する。そして、母親から父親を奪い、口唇的満足を得ようとする。しかし、その父親に対してもアンビバレントを持ち、悪い父親にはサディスティックな衝動を、良い父親からは取り入れを行う。このことから、フロイト以上にサディズム・破壊性・攻撃性というものを重要視しているようである。というもののようであるが、こういう理解であっているのか不安である。正直なところ、分からない・理解できていないというのが率直な感想である。

 たぶん、幼児の精神分析を通して、プレイや転移を受け皿として展開する空想からこのような理論をクラインは構築したと思われる。その為、かなり早期の空想状況がクラインには見られたのであろうし、そこでは幼児的な思考にならなければ分からないのかもしれない。本を読んでいると、どうしても大人の思考になっているので、なかなか理解しにくいのかもしれない。

<目次>

第1部 児童分析の技法

 第1章 児童分析の心理学的基礎
 第2章 早期分析の技法
 第3章 6歳の少女における強迫神経症
 第4章 潜伏期における分析の技法
 第5章 思春期における分析の技法
 第6章 子どもの神経症
 第7章 子どもの性的活動

第2部 早期不安状況と子どもの発達に対するその影響

 第8章 エディプス葛藤と超自我形成の早期の段階
 第9章 強迫神経症と超自我の早期段階との関係
 第10章 自我の発達における早期不安状況の意義
 第11章 女の子の性的活動に対する早期の不安状況の影響
 第12章 男の子の性的活動に対する早期の不安状況の影響

 補遺 児童分析の範囲と限界




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