発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 9章 強迫神経症と超自我の早期段階との関係(精神分析 臨床心理 心理療法)
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 強迫神経症は、手洗いや確認などを何度も繰り返す強迫行為や、無意味なことや汚いことを何度も繰り返し思考してしまう強迫観念の2種類がある。現在では生物学的な研究が進んでおり、SSRIが著効することが分かっている他、認知行動療法などによる暴露反応妨害法などが適用されることが多い障害である。その強迫神経症であるが、フロイトの時期にヒステリーと共に精神分析の適用となる障害とされ、強迫神経症の精神分析事例として臨床データが積み上げられてきていた。特にラットマン症例やウルフマン症例は有名である(ウルフマンが強迫神経症かどうかは疑わしいが)。その中でフロイトは強迫神経症の病理について、肛門期への固着があり、隔離や反動形成といった防衛機制が強く関係していると理解していた。

 この強迫神経症について、クラインはこの章において、フロイトやアブラハムなどを参照しつつも、独自の強迫神経症理解を展開している。まずクラインはフロイトのラットマン症例やウルフマン症例を取り扱いながら、フロイトが想定しているよりも早期の発達が重要であると主張している。そして、「強迫神経症は非常に早期の精神病的状況を救おうとする試みである」としている。こうなってくるとフロイトが考えたような肛門期固着とは違ってきており、大変重症な病理へと理解しなおしているのである。

 しかし、このクラインの強迫神経症の理解であるが、僕自身の臨床からも納得ができるところは多い。というのも、強迫神経症は、不安神経症・恐怖症・ヒステリー・抑うつ神経症・パニック障害といったその他の神経症の患者と比較しても、多少病理が重たい例が多く、強迫の型が現実検討力を失い、パラノイックな展開を時に見せることもある。どこで聞いたか忘れたが、強迫神経症は自我とエスとの間の境界が甘いところがある、ということを聞いたことがある。そのことから考えても、早期の不安や発達が容易に出てくるということも分からないでもない。

<目次>

第1部 児童分析の技法

 第1章 児童分析の心理学的基礎
 第2章 早期分析の技法
 第3章 6歳の少女における強迫神経症
 第4章 潜伏期における分析の技法
 第5章 思春期における分析の技法
 第6章 子どもの神経症
 第7章 子どもの性的活動

第2部 早期不安状況と子どもの発達に対するその影響

 第8章 エディプス葛藤と超自我形成の早期の段階
 第9章 強迫神経症と超自我の早期段階との関係
 第10章 自我の発達における早期不安状況の意義
 第11章 女の子の性的活動に対する早期の不安状況の影響
 第12章 男の子の性的活動に対する早期の不安状況の影響

 補遺 児童分析の範囲と限界




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