発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 5章 思春期における分析の技法(精神分析 臨床心理 心理療法)
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 思春期を何歳から何歳までと定義するのはなかなか難しい問題であるが、だいたいが第二次性徴が始まる時期を思春期の始まりとしていることが多いと思う。ただ、その第二次性徴も文化や地域、時代によって始まる時期が早かったり遅かったりするので、厳密に何歳とするのかはやはり難しい。

 さらに、クラインは思春期の特性について、不安をスポーツといった活動などを通して他者から隠そうとする機制が強い上、横柄で反抗的な態度があり、対応が難しいようである。また、連想があったとしても、無味乾燥な素材が多く、取り扱いに困るようである。そして、解釈がなされないと容易に中断になってしまうということで、やはりクラインもこのあたりで悩んだこともあるのかもしれない。中断はどうして起こるのかということは色々な文脈から言えるのであるが、少なくともクラインは深い解釈を行うことによって中断を防げると考えているようであった。

 実際の分析の方法についてであるが、クラインは遊びと自由連想を併用し、分析の展開によって使い分けているとのことであった。これもパラメータの一つと言えるかもしれない。

 また、最後でクラインは子どもの分析をする上で、成人の分析をするトレーニングを積んでおくことは必須であるとしている。日本においての臨床心理士のトレーニングでは最初に持つケースは子どもの場合が多いようである。大学院相談室という性質上、そうなってしまうようである。子どもの場合、成人のように目的や契約といった構造をしっかりとしなくても、遊びが魅力的ならば比較的継続して来談しつづけ、そして、遊びを尊重しているだけで勝手に良くなっていくという特性がある。その為、大学院生が実習生として子どものケースを持つことが多いのであるが、そこでは本当にセラピーや治療が行われているのかは不明である。単に遊んでいるだけになっているのではないかとも思われる。

 もちろん、大学院での臨床心理士のトレーニングは特に精神分析が中心というわけではないので、同列に並べて論じることはできないところもあるだろうが、このようなクラインの提言には耳を傾けるべきところがあるように思われる。

<目次>

第1部 児童分析の技法

 第1章 児童分析の心理学的基礎
 第2章 早期分析の技法
 第3章 6歳の少女における強迫神経症
 第4章 潜伏期における分析の技法
 第5章 思春期における分析の技法
 第6章 子どもの神経症
 第7章 子どもの性的活動

第2部 早期不安状況と子どもの発達に対するその影響

 第8章 エディプス葛藤と超自我形成の早期の段階
 第9章 強迫神経症と超自我の早期段階との関係
 第10章 自我の発達における早期不安状況の意義
 第11章 女の子の性的活動に対する早期の不安状況の影響
 第12章 男の子の性的活動に対する早期の不安状況の影響

 補遺 児童分析の範囲と限界




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