発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 4章 潜伏期における分析の技法(精神分析 臨床心理 心理療法)
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 潜伏期とはエディプスコンプレックスの解消があって、フロイトでいうところの超自我の形成がなされてから、第二次性徴が始まる前までの時期のことであり、この時期の精神分析はどのようにクラインは行っているのかについて述べている。日本で言うと主に小学校にあたる時期で、言語表現は幼少時に比べて飛躍的に高くなっているが、かといってすべて言語を用いてセラピーを行うのにはなかなか難しいという微妙な年齢であると思われる。また、それは言語表現能力だけの問題ではなく、性的な欲動が一旦は潜在化し、直接扱うことが難しいということも関係しているのかもしれない。

 クラインもこのような問題に直面したのかもしれないが、脱性化された素材をどのように取り扱うのかに多少苦戦している様子がチラホラとみられた。潜伏期は抑圧がある程度しっかりと機能しているため、無意識が隠蔽されて表現されてくるため、そこに届く解釈というのは難しいのかもしれない。

 また、分析の目的を患者がどのように理解するのかについての技法も紹介されている。子どもは大人のように契約関係を最初に難しいため、そのまま分析に導入せざるをえないこともあるようである。そして、解釈を行い、分析の中で分析を経験することによって、「ああ、この部屋ではこういうことをするんだ~!」と体験的に子どもは理解していくようになるとクラインは述べている。確かにそれはその通りだと思うし、もっというと子どもだけではなく、大人でもそういうところはあると思う。契約上、最初にアセスメントをしたり、目的を話し合ったり、どういうことをするのかを相談して、分析の取り決めをする。その時にはどうしても知的な理解にとどまることで満足するしかないと思う。そして、分析に導入し、分析を行う中で体験的に理解していくのを待つより他はない。この辺りについては子どもも大人も変わらないのかもしれない。

 さらに章の最後の方では両親の取扱いについても述べられている。要約すると、子どもの親は分析家に対して嫉妬のような陰性の感情を持っており、表面的には友好的でも、内的には激しい転移を向けているようである。その為、両親は分析を破壊する行動を取りやすいので、分析からは締め出す方向で考える方がうまく行くことが多いとも言っている。しかし、子どもが抵抗を強く起こしている時には両親に子どもを分析に来させるように援助しなければならない。さらに分析がうまくいき、神経症や問題などが解決されても、両親は分析家に感謝はしないとのことである。こう書くと、クラインは被分析者である子どもの両親についてはかなり否定的に見ていたのかなという印象であった。そういえば、ボウルビィもクラインが両親を軽視することに不満を抱き、クライン派を脱退したし、ウィニコットも親子で一つのユニットであるという考えからクラインとの対立もしたようで(もちろんその他の理論の相違もあるが)、この辺りがクラインの独自性とも言えるし、頑固さとも言えるかもしれない。

<目次>

第1部 児童分析の技法

 第1章 児童分析の心理学的基礎
 第2章 早期分析の技法
 第3章 6歳の少女における強迫神経症
 第4章 潜伏期における分析の技法
 第5章 思春期における分析の技法
 第6章 子どもの神経症
 第7章 子どもの性的活動

第2部 早期不安状況と子どもの発達に対するその影響

 第8章 エディプス葛藤と超自我形成の早期の段階
 第9章 強迫神経症と超自我の早期段階との関係
 第10章 自我の発達における早期不安状況の意義
 第11章 女の子の性的活動に対する早期の不安状況の影響
 第12章 男の子の性的活動に対する早期の不安状況の影響

 補遺 児童分析の範囲と限界




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