発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 1章 児童分析の心理学的基礎(精神分析 臨床心理 心理療法)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


 クライン著作集2巻は、児童に対する遊戯療法・精神分析についてのテキストであり、1932年までの研究の総集編とも言えるものである。その為、内容も広く深いので、1章ごと区切ってまとめを書いていこうと思う。ちなみに全部で12章ある。

 1章は1926年に書かれた「早期分析の心理学的原則」が下敷きになっている。ここでは児童分析を施したいくつかの症例を提示しており、S.フロイトやA.フロイトが想定しているエディプスコンプレックスよりも早期の心のありようを描き出している。フロイト親子は、子どもは3~4歳頃にエディプスコンプレックスを克服し、その後に超自我を形成するとしており、精神分析が適用になるのはそれ以降であるとしている。しかし、クラインの独自性は、子どもはエディプスコンプレックスより以前に生得的に超自我を持っており、大人のそれに比べて強く過酷なものであり、それを弱めていくことが必要であるとしているところである。そして転移は前エディプス期から形成できるものであり、3歳よりも前に精神分析を適用することができると主張している。

 このようなところから、成人の精神分析と子どもの精神分析は基本的には同じものであり、同様に分析していくことが可能であるし、必要であると強く主張している。違いといえば、自由連想を素材にするか、遊びを素材にするかの違いのみである。A.フロイトの遊戯療法は、子どもには精神分析は適用しづらいので、一緒に遊びながら陽性転移を育て、また教育的関わりも重要であるとしているが、クラインとは全く反対であることが見て取れる。

 さらに子どもの場合には遊びを分析の素材とするが、それは子どもが言語を習得していなかったり、未熟であるからでは"ない"とするところにもクラインのユニークさが現れていると思う。子どもが言葉で内面を表現できないのは、言語の未熟さからではなく、内的な不安が大人以上に強く、うまく表現できないからであると結論づけている。その為、解釈によりその根源的な不安を取り扱うことにより、言葉で表現することが可能になるとクラインは記している。

 このことから、A.フロイトが陽性転移を育てることに重点をおいたが、クラインは陰性転移を扱っていくことに重点をおいたのかもしれない。

<目次>

第1部 児童分析の技法

 第1章 児童分析の心理学的基礎
 第2章 早期分析の技法
 第3章 6歳の少女における強迫神経症
 第4章 潜伏期における分析の技法
 第5章 思春期における分析の技法
 第6章 子どもの神経症
 第7章 子どもの性的活動

第2部 早期不安状況と子どもの発達に対するその影響

 第8章 エディプス葛藤と超自我形成の早期の段階
 第9章 強迫神経症と超自我の早期段階との関係
 第10章 自我の発達における早期不安状況の意義
 第11章 女の子の性的活動に対する早期の不安状況の影響
 第12章 男の子の性的活動に対する早期の不安状況の影響

 補遺 児童分析の範囲と限界




関連記事
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://purely0307.blog79.fc2.com/tb.php/259-9c619585
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。