発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 分析家の前意識(精神分析 臨床心理 心理療法)
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 これまでの精神分析の研究は臨床エッセイや事例研究がほとんどであった。しかし、最近では乳幼児の観察研究や統計を使った調査研究などもチラホラとみられるようになってきた。そういう変遷の中で本書は分析家自体を調査対象として、65人の分析家にインタビューを行っており、その結果をまとめている。

 このインタビューの中で、それぞれの分析家が思い思いに精神分析の理論や技法、臨床について語っているのだが、テキストには書かれていない、現役の生の声や視点が多数盛り込まれており、大変密度の濃い内容となっている。同じ学派に位置付けられていても、まったく違う意見が書かれていたり、学派が違っていても似たような意見が書かれていたりとあり、そういうところを見ていくこともまた興味深いものであった。

 本書では様々な学派の分析家の意見が載せられているのだが、僕自身の考えと比べて読んでいたところがあった。その中で思ったのは、クライン学派や独立学派の意見に共感を覚えることが多かった。反対に自己心理学派の意見にはあまりピンとこなかった。しかし、学派というのは確かに一つのまとまりをなしているのだが、精神分析は究極的には個々人の実践にすべてが集約されていくのだし、65人いれば65通りの理論と実践があるのだろうと思う。そして、個々人が何を創造していくのかというところに精神分析の本質があると僕は考えている。

 本書はなかなかボリュームがあるので、読むのにはエネルギーが相当いると思うが、是非一度は手に取って見られることをお勧めしたい。


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