発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 日本精神分析学会第54回大会(精神分析 臨床心理 心理療法)

臨床心理士ピュアリーの心理臨床・精神分析に関する日記。

2008年10月31日〜11月2日に福岡で行われた日本精神分析学会第54回大会に参加しました。

 はるばる福岡まで行って来ました。といっても、協会のセミナーに2ヶ月に1回行っているので、慣れたものですが。今回の学会は知り合いの先生が結構発表してて、それを見て回るという感じが多い学会でした。

 研修症例では、以前からずっと会いたいと思っていた方とお会いし、色々とお話できたことが良かったですね。とても刺激的でした。教育研修セミナーは「抵抗」についてがテーマで基本的な技法論のお話が多かったです。その他にもビオンのセミナーなどもあったけど、そこまで高度なことはぜんぜん分からないので、こういう入門ぐらいが僕にはちょうど良いです。

 二日目は僕の発表でした。司会が大御所の先生だっただけに大きい会場だったのにフロアは満杯で、立ち見もいました。しかし、発表は・・・ボロボロでした。かなり凹みましたけど、僕の発表内容からしたら当然なのでしょうね。一番言いたかったことは、症状は単に患者の中にあるものではなく、治療関係の中で生成されるものである、ということです。どこまでそれが言えたのかは分かりませんが。その後はどこの発表も見に行けず、指定討論演題や終結症例さえ行けずに、ずっと知り合いの方とお話をしていました。それでかなり助かりました。感謝します。

 しかし、他のブログを見ていると、この学会に参加された方は結構いるようですね。僕の発表なんかをもし見られていたら本当に恥ずかしいです(^-^;A

 三日目は疲れも溜まり、総会・会長講演・ランチョンセミナーには参加せず、ホテルで寝たり、マンガ喫茶に行ったりしていました。福岡まで行ってマンガ喫茶とは思いましたけどね(笑)。午後のシンポジウムには何とか参加できました。テーマは「ヒステリー再見―精神分析理解の基本として」でした。ヒステリーと言っても人によってかなり違いがあるものだなと思いました。ヒステリーを症状としてみる人、パーソナリティとして見る人、ヒステリー機制として見る人、様々でしたね。僕はどっちかというとヒステリー的な関係を持つという風に見てしまっていたようです。あと中村先生が発表原稿を間違えたのにはクスっと笑わせてもらいました(笑)

 今回の学会は、学会自体ももちろん勉強になったし、面白かったのですが、それよりも1日目と2日目の夜の飲み会がとても刺激的でした。本当に色んなテーマについての話をしましたが、基本的に精神分析とは何か?ということです。いや、自分にとっての精神分析とは何か?という方が正確でしょうか。

 以前は、精神分析って言うのは、超自我とか、抑圧とか、転移とか、そういう知識の総体として理解していたのですが、どうもそうではないようで。そういう知識は持ちつつも、関係の中でどのようなことが起こり、どのような営みを体験するのかが精神分析なのかなと。治療の中では局面によっては、どのようにしたら良いのか非常に迷うときもあります。Aという方法をとったら良いのか、Bという方法が良いのか、どっちが精神分析的に正しく、どっちが精神分析的には間違いということを考えてしまいます。でも、それって違うのかなと。どうすれば良いのだろう?とそこで悩むということそのものが精神分析的な営みなのかなと。その悩みを生きた上で、結果的にAをしようと、Bをしようと、それは大きな違いはないと。だからといって、「じゃ、悩めば精神分析的になるんだ」というのもまた違って、そういうテキスト的、マニュアル的なものが精神分析ではないのだろうと。生の人間としてきちんと悩ましてくれるものが精神分析であり、それが良さなのだろうと思いました。

 色々と刺激があり、考えさせられた学会でした。来年は2009年11月6日(金)〜8日(日)に、大阪で開催されます。発表はどうするか分かりませんが、多分また参加すると思います。


コメント
この記事へのコメント
発表、お疲れ様でした。「悩むことそのものが精神分析」という言い方を借りれば、「発表して凹んでという繰り返しそのものが臨床家としての歩むべき道」と言えるかも知れません。僕も学会で発表した後は(論文を発表した後も)、毎回かなり凹みますよ。

福岡まで行ってマンガ喫茶というのも…という感覚も分かりますが、精神分析学会の全部の発表を集中して聞くのはちょっと無理がありますよね。僕も途中で抜け出して、指圧に行ってしまいました(笑)。

とにかくお疲れ様でした。
2008/11/05(水) 20:01 | URL | Y.. # - [ 編集する]

コメントどうもです♪

発表がダメだったからといって、それですべてが終わりじゃなくて、色々と宿題と課題をもらえたらとポジティブにも受け取っています。

また発表したテーマについて考察を深めて行きたいと思っています(⌒-⌒)
2008/11/06(木) 00:33 | URL | ピュアリー # 6fwIY24o [ 編集する]

先ほど、自分の部屋に帰ってきました。1週間の日本滞在、あわただしく大変疲れましたが、良かったですね。1日目と2日目の飲み、僕もとても楽しかったです。また今度飲みましょう!是非、アメリカの方にもいらっしゃってください:)
2008/11/06(木) 12:30 | URL | Hans # g6vs/Cb2 [ 編集する]

大会、お疲れ様でした〜♪

遠いところからこられたので、結構大変だったかと思います。

アメリカに行くのは遠くて大変ですが、是非そちらにもお邪魔したいと思います。

その時にはよろしくお願いしますy(^ー^)y
2008/11/07(金) 09:40 | URL | ピュアリー # 6fwIY24o [ 編集する]

ピュアリーさん、どうも。

学会お疲れ様です。
発表に関しては、僕は個人的には非常にユニークな視点から発表されていたと思ってます。あれは、「転移神経症(ないしは、転移性治癒)というものが、どのように現れ、変遷していくか」という話なのかなと思っていました。「転移神経症」という臨床的アイデアは、最近はなかなか省みられる概念ではないし、実際に近年の論文でも殆ど書かれていないと思う。

臨床素材の呈示の仕方の問題であり、発表の趣旨や視点は非常にユニークだったと思います。司会者のコメントも、結局は素材の呈示方法に言及していたに過ぎないように、僕なんかは思ってしまいます。

と、まあ、色々書いたけれど、それほどに卑下することはないということです。いつものようにナルシスティックにいたらいい(笑)
2008/11/08(土) 12:57 | URL | のん # - [ 編集する]

「いつものようにナルシスティックにいたらいい(笑)」というところがひっかかりますが(笑)

そんなにいつもナルか〜?(^-^;A

それはさておき、発表の主旨が転移神経症というのは確かにその通りだなって思います。治療関係の中で症状や行動や思考が反復しているのでね。

それを診断学的な疾患や症状とまでしてしまったところは問題だったのかな。
2008/11/09(日) 01:04 | URL | ピュアリー # 6fwIY24o [ 編集する]

コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://purely0307.blog79.fc2.com/tb.php/237-2c048db7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック