発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 日常生活の精神病理学にむけて(精神分析 臨床心理 心理療法)
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 今まで人文書院のフロイト著作集でフロイトを読んでいましたが、今回、新しく訳出された岩波書店の全集で読んでみました。人文書院のは字が細かく見にくいけど、岩波書店のは字が大きくて読みやすいですね。ただ、用語が新しくなってて一瞬分からなくなることもありました。「遮蔽想起」ってなんだろう?って思って調べたら「隠蔽記憶」のことだったんですね。

 本書の内容ですが、日常的に起こる勘違いや記憶違い、言い違いなどには無意識的な意味があるという観点からさまざまな実例を挙げて論じられていました。なかにはクスっと笑ってしまうようなものもあり、小難しい用語などでこねくりまわされておらず、非常にユーザーフレンドリーな感じがしました。フロイトの著作の中でも「精神分析入門」や「夢判断」にならんでよく読まれているというのはとてもよく分かる気がします。

 反面、実例が非常に多く、時にはテンポが悪く、眠たくなってしまうこともありました。解題によると、1901年に公にされた時には、90ページぐらいの薄いものだったようですが、その後、弟子たちの実例や読者などからの投稿などもドンドンと付け加えていき、最終的には300ページを超える膨大な量になってしまったことも関係あると思います。「現代フロイト読本1」で本書を担当した鈴木先生によると、実例は300にも上るということのようです。しかし、鈴木先生は読みながら実例の数を数えて行ったんでしょうかね?それだけでも大変かも(笑)

 また、度忘れや勘違いなどのところは日本語で訳されてもそれほど違和感無く読めたけど、言い間違いや書き間違いなどはドイツ語での綴りなどが関連しているので、日本語では非常に読みにくいところも多かったです。注釈でドイツ語が併記されていたりと。それらを日本語訳するのも大変だったかもしれませんが。精神分析がドイツ語文化圏を基盤にして誕生しているところもあり、それを全く文化の違う日本の中でどう考えるのかというテーマもまた面白いと思いますね。いずれは、この言い間違い・書き間違いを日本語の実例を使って「日本版・日常生活の精神病理」というものを書いてみたいものです(笑)

 しかし、本書は日本ではあまり重要視されていないとの話も聞いたことがありますが、かなり重要みたいですね。ビオンなんかもこれが一番大事と言っているみたいですし。まー、僕にはまだまだその「大事」というのがどれぐらいのものなのかも分からないですが。。。


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