発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 メラニー・クライン-その生涯と精神分析臨床(精神分析 臨床心理 心理療法)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


 クライン理論を平易に紹介している書籍で、精神分析をそれほど学んでいない人でも理解できるぐらいのレベルで書かれています。ただ、その分、なんというか従来のクライン派の書籍から受ける大きなインパクトというか、引きこまれる凄さというか、ビリビリとくる臨場感があまり感じられず、本当にテキストといった感じ。

 また第1章はクラインの人生について系統的に書かれています。クラインの人生は本当に喪失の連続だったようで、重度のうつ病といっても良いぐらいだったんだろうと思います。理論はとても厳しいものだけど、その背景にある種のクラインの悲しみを感じてしまうのは僕だけでしょうか。ただ、この第1章は37ページぐらいのコンパクトなものであり、もう少し深く色々と知りたいという気持ちにもなります。

 そして、本書の一番の特徴が第4章の「批判と反論」だと思います。クライン理論や精神分析理論に対してさまざまな視点からこれまでたくさんの批判・非難がなされてきました。的を得た批判もあれば、感情的な非難もありますが、それに対してクライン理論の観点からキチンと反論をしていき、その簡潔で分かりやすい反論はとても勉強になります。精神分析は対話の学問であると思います。それはフロイトの論文を見ても、批判との対話によって論を進めているところもありますし、精神分析臨床自体が分析家と患者の対話によってなりたっています。なので、この章の問答はきわめて精神分析的であると言えます。この第4章だけでも読む価値ありです。


関連記事
コメント
この記事へのコメント
面白そうな本ですね。ジュリア・スィーガル。ハナ・スィーガルと何か関係があるんですかね?

理論への批判と反論は、精神分析の面白い部分の一つですよね。今、ハナ・スィーガルの本を読んでいるんですが、こちらでも「クラニアンは防衛分析をしない」といった自我心理学派からの批判に反論しています。面白いです。

読み終わったら感想とか聞かせてくださいね:)
2008/08/18(月) 04:05 | URL | Hans # g6vs/Cb2 [ 編集する]

ジュリア・シーガルとハナ・シーガルは全く関係ないみたいです。後書きでそうかかれてましたね。ジュリア・シーガルは精神分析家ではなく、クライン派に理解のある一般のカウンセラーらしく、身体疾患のガイダンスなんかもしているようです。

本書の中でビオン・ローゼンフェルド・シーガルに言及するところがあって、「シーガルは分かりやすくすばらしい!」みたいな表現があって、初めはメッチャ自画自賛してる!って思っていたけど(笑)、後書きで別人と分かって納得いきました(^^ゞ
2008/08/18(月) 10:34 | URL | ピュアリー # 6fwIY24o [ 編集する]

コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://purely0307.blog79.fc2.com/tb.php/229-20b94f37
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。