発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 ウィニコットの世界(精神分析 臨床心理 心理療法)
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 ウィニコットについて様々な観点から論じられている包括的な書。ウィニコットの人生から、主要論文の要約、基礎理論、臨床理論、他分析家との関連性など幅広くウィニコットを理解するのにはとても最適である。

 ウィニコットは人柄・センス・技術のどれをとっても歴代の分析家の中でもNo.1と言えるほど、とても優れた人であったようである。さらに理論的にも素晴らしく、ウィニコットなしでは現代の精神分析は語れないほどである。どこがそこまですごかったのかは語りつくせないので本書を直にあたってもらえたらと思う。

 本書によるとウィニコットはとても暖かく、人間性溢れた人だったとともに、患者さんとの心理的・物理的距離がとても近い人だったようである。「解釈は分析家の限界を患者さんに教える」という言葉があり、この言葉だけ見ると、分析家と患者さんとのバウンダリーをしっかりととっているような感じもするが、それも距離の近さがあるゆえにバウンダリーを認識するようになったと言うこともできる。

 本書からだけであるがウィニコットの臨床感覚を見ると、患者さんの中にスッと入っていくことが本当に自然と出来ていたのだろうなと想像できる。これは僕自身の臨床感覚と正反対のように思えてくる。僕自身は多分、患者さんととても距離を取る治療者であると思っている。それは自分の中に患者さんに侵入されることに抵抗があるとともに、僕自身が患者さんの中に今一歩入り込めないところがある(技術的にも心理的にも)。

 ウィニコットの臨床事例を見ると自然に物理的接触をとっていたようであるが、僕は多分、このような物理的接触はかなり抵抗を呼び起こしてしまう。それが何に由来するのかはウィニコットの生育歴と僕の生育歴の違いが大きいとは思うが、これ以上はあまりにも自己開示的になってしまうので、止めておこうと思う。

 とにもかくにも、読めば読むほどウィニコットの臨床感覚と僕のそれとの違いがとても大きいがゆえに、目が開かれる感じもあるし、参考になるところもあるし、自分にはできないな~とガックシくるところもある。

 今後、ウィニコットの著作を直接読んでいくことになると思うが、どのようにウィニコットと付き合っていくのかをまた考えていきたい。


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コメント
この記事へのコメント
この手の記事には直ぐに飛びつくゆみっちょん♪です。

ウィ二コットですか。
セーイチさん絶賛ですね。
広義の対象関係論にあたるんでしたよね、たしか。
精神分析にも対象関係論にも興味があるので、今積んである本が減ってきたらちょっと読んでみようかなと思います。

あまり関係がないけれど、

>これ以上はあまりにも自己開示的になってしまうので、止めておこうと思う。

この部分がすご~く気になりました^^;;。

2007/10/22(月) 09:16 | URL | ゆみっちょん♪ # uYTnJlCo [ 編集する]

私は、訳本タイトル「情緒発達の精神分析理論」と「遊ぶことと現実」を、大学院時代から、時々思い出したように読む程度のウィニコット認識なんですけど、現場臨床のニオイを強烈に感じさせつつも、"disillusion""ability to be alone"、あるいは、「偽自己」概念などには、多分に逆説的な側面があり、マスターソンなど、ウィニコットの「偽自己」概念についてひどく誤解したまま、理論構成してしまっている気がする。

 でも、分析系に限らず、臨床家は、大学の講義だけではなくて、一度はウィニコット自身の文章によって、その逆説的含蓄を読み解いていくべきと思ってます。

 個人的には、バリントと並び、一番親しみ深い分析家です。
2007/10/23(火) 14:23 | URL | こういちろう # BXy/Vbyc [ 編集する]

>ゆみっちょんさん

ウィニコットは面白いですね。といっても原著は読んだことがないのですが(笑)

フロイトが終わり、クラインが終ったらいよいよウィニコットに行こうと思っていますが、いつになることやら。

気になる部分についてはまたいつかどこかで(^-^;A

>こういちろうさん

「情緒発達の精神分析理論」と「遊ぶことと現実」の二冊は学生時代に読んだことがあるんですけど、いずれも全く理解不可能で、途中であきらめました。

今だったらもう少し読めるかなと思うのですが、まだ自信はないです。

逆説的含蓄を読み解ける日はいつかくるのでしょうか?(^-^;A
2007/10/24(水) 21:59 | URL | セーイチ # 6fwIY24o [ 編集する]

私は、「赤ちゃんはなぜなくの」と「こどもはなぜあそぶの」を読んで、
あまりにも良かったものですから、
調子にのって「人間の本性」を読んだのですが、
途中で挫折しました。
2007/10/29(月) 23:21 | URL | うめきち # MMIYU.WA [ 編集する]

あー、その3冊とも読んだことはないですね~。ウィニコットは一見平易な文章で書いているけど、逆説やら含みやらが多く、かなり難しいもののようです。僕もきちんと読んでいかないと行けないな~って思っています(^-^;A
2007/10/31(水) 00:03 | URL | セーイチ # 6fwIY24o [ 編集する]

 あ~それ以前に心理療法って本当に効果あるの?
 スクールカウンセラーを導入してもいじめも不登校も減ってないじゃん。
 効果あるんだったら個人も国も金だすよ。
2007/11/02(金) 21:58 | URL | 野生かえる捕獲人 # - [ 編集する]

そうです!! 効果があれば国も個人もお金を出します(爆)

.....などと、敢えて煽っといて(^^;)

 ただ、どういうわけか、むやみと高いところは結構予約いっぱいたったりしてね。そういうところの効果について国や個人が検証しているかどうか、大いに気になるこういちろうであった。

 この辺、何か、フェスティンガーの「認知的不協和理論」的という気もしまして。

 経済原則に反して、安くていいカウンセラーをお客さんはなぜか選ばないんだよ(超厚顔無恥!!....しかし、こういうことをルンルンで言えるのは、以前よりは流行ってきたからこそ!!)

 私はこうした現状を打破するために、カウンセリングというものは庶民的、大衆的ななものであり、ただの何でも相談屋だというふうに世間のイメージ塗り替えたいのね。

 そして、そこにこそ、心理療法の奥義が生かされている、とならないと!!
2007/11/02(金) 23:47 | URL | こういちろう # BXy/Vbyc [ 編集する]

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 思わず「発展途上さいころじすとの軌跡blog版」で冷やかし型コメントに遭遇して
2007/11/03(土) 00:22:00 | カウンセラーこういちろうの雑記帳
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