発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 (精神分析 臨床心理 心理療法)
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認知行動療法を用いて不眠症を改善するためのマニュアル本。専門家だけではなく、一般ユーザーでも読みやすく、理解しやすいようになっている。

不眠になる原因や要因を説明し、実際の改善のための手続きである睡眠衛生教育、睡眠調整法、筋弛緩法などについて分かりやすく解説している。また後半では、実際の不眠症の事例を多数列挙し、具体的にはどういう介入をしているのかを例示している。

不眠を改善するたけで、うつ病なども結果的に改善するようになったりすることも研究で確かめられているようだし、身体疾患による不眠に対しても効果があるようで、今後の発展が楽しみなところである。

ただ、不眠症だけではないが、認知行動療法をすればたちどころに全てが治る!というものではなく、効果もあれば限界もある。さらには、認知行動療法を施行すると、患者はその分、練習や宿題などをこなしていかないといけないので、その分の負担もあるし、それゆえに脱落することもある。
こういうところをしっかりとアナウンスしなければ、不必要に失望することにつながるだろう。



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精神分析家と精神分析臨床家の違いがとても重要であるが、本書ではつねに精神分析的な姿勢を保ち続け、分からんないことに耐えつつも、分かろうとし続けることを後者としている。極端にいえば精神分析家という資格を持っていても、このような姿勢を保ち続けていなければ、精神分析臨床家とは言えないということだろう。そして、逆のことをいえば、精神分析家の資格を持っていなくても、精神分析的な姿勢を持ち続けることはできるので、精神分析臨床家であるということもできる。といっても、精神分析の訓練(訓練分析、SV、コースワークなど)を経る必要はあるだろうが。

そして、本書では精神分析臨床家としての姿勢やその営みについて語られている。例えば、設定を一定に保ちつつ、容易にアクティングアウトをしないようにするとか、外的事実ではなく、内的空想から接近していくとか。アクティングアウトをセラピストがすることは決してわるいことではないし、それがクライエントの利益につながることも、新たな理論構築につながることもあるだろう。しかし、それは精神分析ではないし、精神分析臨床家の在り方ではないということかもしれない。

後半ではそうした精神分析臨床家の訓練の在り方について述べられている。訓練分析、SV、コースワークの他に研修会や古典の読み方なども書かれており、刺激的である。

ただ、精神分析は分かっていることに囚われず、自由に考え続ける姿勢を力説している反面、「~~すべき」「~~であるべき」という超自我的な教えが多くみられるように思った。著者が指導的な立場にいることも影響しているのであろうし、精神分析を銘打っていても精神分析ではないものが多く氾濫しているがゆえに、言わざるをえないのかもしれない。


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