発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 (精神分析 臨床心理 心理療法)
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エスター・ビック(著)「早期対象関係における皮膚の体験」 1967年
E.B.スピリウス(編)松木邦裕(監訳)「メラニー・クライン トゥデイ2」 岩崎学術出版社 1993年 pp45-49.

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有名な「第二の皮膚」についての論考であり、わずか4ページあまりと短い。原初の乳児は皮膚を通して他者と交流し、皮膚の中に体験を統合していく。しかし、何らかの理由により、それらの発達が健康に進展しない時、「第二の皮膚」が構築される。その第二の皮膚により、依存は偽りのものとなり、不適切にしか能力を使用できなくなってしまう。防衛と言っても良いのかもしれない。この第二の皮膚をワークスルーしていくと、原初の無統合状態が、それをやり抜くことによって根柢の脆弱性を強化していくことができる。



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スィーガルによると、より早期の乳幼児は具象的な思考をしているが、抑うつポジションのワークスルーを通して、象徴機能を手に入れる。そこでは具象物を象徴として知覚するが、具象物と象徴は全くのイコールではないという。そして、コミュニケーションは象徴を通してなされるが、PSポジションが優勢になり、象徴が機能していないと、コミュニケーションの能力は阻害されてしまう。また早期の象徴群は自我にとっては象徴やその代理物としては感じられず、オリジナルそのものであると感じられる。そのため、象徴というには言えないので、そのことをスィーガルは類象徴と命名している。


ベティ・ジョセフ(著)「投影同一化-いくつかの臨床側面-」 1987年
E.B.スピリウス(編)松木邦裕(監訳)「メラニー・クライン トゥデイ1」 岩崎学術出版社 1993年 pp167-183.

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ベティ・ジョセフは1917年に生まれ、つい最近の2013年に96歳で亡くなった。この年齢になるまで第一線で活躍をしていたそうだ。

本論文では、分析プロセスの初期に表れる投影同一化から、比較的後期でより統合されてきつつある時に表れる投影同一化を症例を用いて描写している。そして技法的な取扱いとしては、投影同一化によって排出されたものを即座に解釈という形で押し返さないことを述べている。さらには投影同一化の健康な側面についての理解を深めることなども指摘している。


ハーバート・ローゼンフェルド(著)「精神病状態の精神病理への寄与-精神病患者の自我構造と対象関係での投影同一化-」 1971年
E.B.スピリウス(編)松木邦裕(監訳)「メラニー・クライン トゥデイ1」 岩崎学術出版社 1993年 pp142-166.

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ローゼンフェルドは投影同一化に関して、(1)コミュニケーションとしての投影同一化、(2)自己の不要な部分を取り除くための投影同一化、(3)他者のコントロールをするための投影同一化、(4)羨望に対する防衛としての投影同一化、(5)他者に寄生するための投影同一化、の5点にまとめている。ちなみに5点目についてはピックの付着同一化に近いかもしれない。

いずれにしてもメラニー・クラインが投影同一化の概念を提唱し、その時期では単に投影機能・排出機能ぐらいにしか理解されていなかった。それが時を経て、ビオンもそうだが、単なる病理的なものだけではなく、発達的側面に焦点を当てたり、ローゼンフェルドのように投影同一化の機能を細分化したりして、さまざまな研究されてきているようである。


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