発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版 (精神分析 臨床心理 心理療法)
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動機づけ面接(MI)は、なかなか治らないアルコール依存症や薬物依存の患者のために開発されたものであり、行動療法的な側面と来談者中心療法的な側面がある。この技法の名称から動機を引き出したり、植えつけたりすることをイメージされがちであるが、実際にはそうではなく、患者が本来の進むべき道を自分で見出していくようにサポートする方法である。ただ、このMIは何十セッションも継続して行うことで効力を発揮するものではなく、ほとんど数セッションだけでことたりるものである。ただし、時間の経過によってその効力は徐々に少なくなる。そのため、インテークや初回面接などの最初にMIを実施し、その後、何か特定の技法や戦略につなげていくような使い方が良いようである。

本書はMIのマニュアル本ではなく、この本を読んで、MIが身に着けれるようなものではない。ただ、MIの歴史や方法論が整理されて記載しており、その全体像をつかむ上では大変有用である。さらに付録としてMIのいくつかの尺度も掲載されており、今後の研究や習得をしていく上で役に立つのではないかと思う。



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フェアベーンの数々の論文を1冊にまとめたもの。理論部、臨床部、社会部の3部から構成されている。フェアベーンはスキゾイドパーソナリティの定式化と、それから発展した自我構造の根本的改訂がとくに著名である。

スキゾイドの特徴は 万能的態度、情緒的孤立と引きこもり、内的現実へのとらわれである。彼らには対象を愛することによって破壊されてしまう不安があり、それは抑うつのように憎しみによって破壊してしまう不安よりもより根源的で原始的なものであるとしている。そして、悪い対象を内在化するのは、周りの対象が示している明らかな悪さを己が身に引き受けることにより、それらの対象を良いものに作り変え、そうすることで自分の置かれている環境を耐えやすいものにする。だがそれは内的世界の不安定と引き換えるものである。スキゾイドはこれら二つの悲劇を内に抱えているのである。

さらに、フェアベーンはフロイト以来の欲動論から対象関係論に舵を切り、その中でリビドーの対象希求性をその根本においた。つまり、リビドーは無目的に表出されるものではなく、極めて目的的に動くものであり、その目的が対象である、とした。さらにそれをもとにし、以下のような自我構造を打ち出している。

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さらに2部ではいくつかの臨床例について描写され、3部では社会との関わりをテーマにした論文が掲載されている。そこでは共産主義についてや大学で精神分析が講義として取り上げられること、戦争神経症、性犯罪者の矯正などが取り上げられている。


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